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周年記念の5つのアイデア・事例、成功させるための3つのポイントを紹介

企業やサービスのこれまでの取り組みや実績を振り返り、創業や設立からの節目を祝う「周年記念」。周年記念は、自社が長くステークホルダーに愛され企業として存続してきた証しであり、社内外を盛り上げる良いきっかけとなります。

今回は、周年記念の企画を検討している広報PR担当者の方に向け、周年記念の目的や成功させるためのポイント、実際の企画アイデアと事例をご紹介します。

周年記念の目的

周年記念の目的は、企業やサービスの創業・設立からの節目を祝い、今後の発展を願うことです。周年を記念した行事や事業が行われることも多くあります。

広報PR担当者にとっては、周年記念はステークホルダーと良好な関係を築くために活用できるチャンスです。社内に向けて行う場合と社外に向けて行う場合で、それぞれどのような目的が考えられるのか一例をご紹介します。

社内に向けて実施する場合

社内で働いている従業員に対して周年記念を行う場合は、

  • 日頃の感謝を伝え、コミットメントやエンゲージメントの向上につなげる
  • ミッションやビジョンを改めて共有し、インナーブランディングを強化する
  • 社内の情報共有やコミュニケーションを円滑化するきっかけとする

などの目的が考えられます。

企業の節目となるタイミングで改めて従業員に感謝を伝えたり、自社の理解を促したり、ビジョンを共有したりすることで、自社やブランドに対するエンゲージメント向上、働くモチベーションの向上、インナーブランディング強化などの効果が期待できるでしょう。

社外に向けて実施する場合

生活者や取引先に対して周年記念を行う場合は、

  • 日頃の感謝を伝え、関係性を強固にする
  • 事業・サービスが長く存続していることを発信し、信頼性を高める

などが目的となるでしょう。

周年記念を機に、生活者へのサービスやブランドに対するエンゲージメントの向上、取引先との新たなビジネスチャンスの創造が期待できるアクションを行いたいところです。

そもそも「周年」はいつを指す?

周年とは、企業の創業や設立からの経過年数を指します

規模の大きな周年記念は、一定の期間を経過したタイミングで行うことが多く、5年や10年などキリのよい数字が一般的です。

また、社名や事業名、サービスに関連する数字や、語呂合わせになる数字の年数に合わせて周年記念を行うこともあります。

周年記念の5つの企画アイデアと事例10選

周年記念を実施するためには、目的を明確にし、ターゲットに合わせた企画を考えることが大切です。

ここからは、広報PR担当者として検討したい周年記念の5つの企画アイデアを、実際の企業の事例を交えながらご紹介します。

広報担当者の会議風景

1.記念式典・パーティーの実施

周年を記念した式典やパーティーは、もっとも一般的な施策のひとつです。

全社が一堂に会する場をつくり、社長や取締役から従業員へ日頃の感謝を伝えたり、改めて自社のビジョンや事業のゴールを共有したりします。

普段から経営陣と現場のコミュニケーションが盛んな場合でも、あえて特別な機会を設けることで、モチベーションの向上が期待できます。

式典・パーティーの会場は、特別感を演出するためホテルなど豪華な空間を選ぶことが多いですが、リモートワークの従業員が多い場合は出社の機会として自社オフィスで開催するのもよいでしょう。もちろん、さまざまな従業員が参加しやすいようオンラインで開催したり、オンラインとオフラインのハイブリッド型にするといった配慮も重要です。自社の目的に合った形式を検討しましょう。

広報PR担当者としては、式典・パーティーの準備の様子や当日の内容を、後日イベントレポートとしてプレスリリースやオウンドメディアで発信したいところです。

https://prtimes.jp/magazine/how-to-write-an-event-report/

こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

https://prtimes.jp/magazine/general-meeting-of-employees/

記念式典・パーティーの事例

事例1.公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会

公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会

公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会(JIDA)は、創立70周年を祝う記念式典を実施。

理事長からの挨拶や関係者からの祝辞のほか、デザインの未来に関するパネルディスカッションや表彰式などが行われました。オフラインだけでなく、YouTube配信も行っています。

参考:JIDA創立70周年記念式典及び記念展示のお知らせ

事例2.YKK AP株式会社

YKK AP株式会社

YKK AP株式会社は、アルミ生産を行う四国製造所の操業50周年を記念する式典を開催。

安全祈願と今後の持続的成長の誓いとしてヤマボウシなどの植樹を行いました。また、副知事や近隣企業・取引先企業などを招いた祝賀会では、関係者へこれまでの感謝を伝えるとともに、地域とのつながりをさらに深めていく旨を宣言。製造所内に地域へ開かれた公園を整備する計画も発表しています。

参考:YKK AP四国製造所 操業50周年記念式典を開催

2.周年記念にちなんだコンテンツの制作

これまでの取り組みを振り返るWebサイトやインフォグラフィックスなど、記念コンテンツの制作もよく行われます。

企業の歴史や実績を楽しく知れるコンテンツを制作することで、社内外のステークホルダーに企業理解を深めてもらうチャンスとなります。小難しいものではなく、多くの人にとってわかりやすい・親しみやすいコンテンツ設計を行うことが重要です。

周年記念にちなんだコンテンツの事例

事例3.太陽グループ

太陽工業株式会社

大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手掛ける太陽工業株式会社、イベントコンサルティングのTSP太陽株式会社、イベントや施設の運営を手掛けるアクティオ株式会社の3社が共同で、グループの創業100周年を記念するWebサイトを制作。

3社の社長からの感謝のメッセージを紹介しているほか、3社の歩みをまとめた2分30秒の動画を公開しています。

参考:太陽グループ3社の創業100周年記念サイトを公開

事例4.株式会社デンソーテン

株式会社デンソーテン

カーナビゲーションやドライブレコーダー、電子制御装置などを手掛ける株式会社デンソーテンは、創立50周年プロジェクトの一環として、「デンソーテンに関わる人を元気づける」というテーマでオリジナル応援歌を制作しました。

作詞・作曲は社内で公募し、編曲・歌唱・演奏まで全てを従業員が行い、社内のレコーディングスタジオで収録。「音」に強みを持つ同社ならではの特長を活かした施策です。

参考:創立50周年記念 オリジナル応援歌を制作

3.ユーザーに向けたイベントやキャンペーンの実施

ユーザーや生活者に向けたイベントやキャンペーンも一般的です。

周年記念のイベントやキャンペーンを通じて、企業やブランドの歴史や過去の取り組みを伝え、理解を深めてもらう機会になるほか、新規顧客を獲得するチャンスにもつながります。

また、ユーザーからの反響を得てコミュニケーションの機会とすることもできます。

イベントやキャンペーンの事例

事例5.大阪中之島美術館

大阪中之島美術館

大阪中之島美術館は、開館1周年を迎え「開館1周年記念イベント」を開催。

Instagramストーリーズ投稿および来場者アンケートにより景品が当たるキャンペーンや、ミュージシャンによるライブや館長との対談、アーティストのサイン会など、さまざまなイベントを実施しています。

参考:大阪中之島美術館|開館1周年記念イベント開催のお知らせ (1月28日 – 2月28日)

事例6.サンエックス株式会社

サンエックス株式会社

サンエックス株式会社は、人気キャラクター「リラックマ」がデビュー20周年を迎えることを記念し、ポップアップイベント『祝・成くま式』を開催。展示やフォトスポットの設置をはじめ、オリジナルグッズの販売などを行います。

20という数字から想起される「成人」のイメージを活用したイベント名がキャッチーで、印象に残ります。

参考:リラックマ20周年記念『祝・成くま式』開催決定!~2023年に20周年を迎えるリラックマの展覧会を実施します

4.周年記念限定グッズの制作

周年記念の限定グッズを制作し、商品として販売したりノベルティとして配布したりすることも効果的です。

限定グッズは、新商品を制作するほか、既存商品の限定パッケージを用意するパターンもあります。ノベルティは、Tシャツやマグカップ、トートバッグなど、実用的なアイテムにするのが一般的です。

予算や目的を考慮しつつ、自社らしさが伝わるグッズを考えるようにしましょう。

周年記念限定グッズの事例

事例7.東映アニメーション株式会社

東映アニメーション株式会社

東映アニメーション株式会社は、人気アニメシリーズ『プリキュア』の20周年を記念し、紅茶専門店『LUPICIA』と共同企画した「プリキュア オリジナルティー」を限定販売しました。

バニラとチョコレートの甘く芯のあるフレーバーでプリキュアの可愛らしさと強さを、花びらや金平糖で華やかさを表現したオリジナルブランド。シリーズの20周年記念にふさわしいコラボグッズです。

参考:20周年記念 共同企画商品 プリキュアオリジナル紅茶が「LUPICIA(ルピシア)」による制作で登場!2月1日(水)から開催の「全プリキュア展」で販売!

事例8.ワーナーブラザーズジャパン 合同会社

ワーナー ブラザース ジャパン合同会社

ワーナー ブラザース ジャパン合同会社は、株式会社マリモクラフトとのパートナーシップのもと、ワーナー・ブラザース創立100周年記念企画として人気アニメ『トムとジェリー』と映画『ハリー・ポッター』のコラボレーションアイテムを限定販売。

同社の保有する人気作品同士がコラボすることで、両作品のファンに喜ばれるだけでなく、同社らしさも伝わる限定グッズです。

参考:ワーナー・ブラザース100周年記念トムとジェリー限定コラボアイテム!『ハリー・ポッター』ホグワーツ寮の衣装をまとった特別デザインで新登場!

5.リブランディングや新事業・新サービスの発表

リブランディングや新事業・新サービスなどのプロジェクトが進行している場合は、周年記念の場を活用して発表すると、新たな船出をより重要なものとして印象づけることができます。

周年記念は、自社の歩んできた歴史やストーリーを伝えられるタイミング。そこで発表することで、新章の幕開けをよりドラマチックに、意義深いものとして伝えられます。

リブランディングや新事業・新サービス発表の事例

事例9.株式会社MIXI

株式会社MIXI

株式会社MIXIが提供するサロン予約アプリ「minimo」は、サービス開始9周年を迎え新機能をリリース。

人それぞれの魅力を引き出す「パーソナルカラー」に注目が集まっているという状況を、「一人一人の可愛い・キレイ・かっこいい」を応援してきた同サービスの理念と絡め、新コンテンツ「パーソナルカラー自己診断」と「髪色図鑑」を発表しました。

参考:サロンスタッフ直接予約アプリ「minimo(ミニモ)」9周年 新コンテンツ「パーソナルカラー自己診断」と「髪色図鑑」をリリース!

事例10.株式会社鳴海屋

株式会社鳴海屋

大正12年11月創業の株式会社鳴海屋は、2023年に創業100周年を迎えるにあたり、ブランドを刷新。ロゴやパッケージを一新しただけでなく、「第一次産業の担い手をお客様とともに支えていくメーカーでありたい」という新たなコンセプトを策定しました。

100周年という大きな節目でリブランディングを行うことで、次なる100年へと新しい一歩を踏み出すエネルギーを感じさせます。

参考:老舗米菓店「京都鳴海屋」、創業100年の節目にブランドを刷新。志ある生産者と共に歩むものづくりへ。

周年記念時の広報PR施策を成功させる3つのポイント

周年記念における広報PR活動では、どのようなことに気をつければよいでしょうか。周年記念を成功させるための3つのポイントを紹介します。

広報活動の打ち合わせ風景

ポイント1.目的とゴールを明確にする

周年記念時の広報PR活動では、どのようなステークホルダーに向けてどのような関係性・認知を得たいのか、事前に目的を明確にすることが大切です。ステークホルダーごとに目標とする状態(ゴール)を言語化し、チーム内でも共有しておきましょう。

この目的・ゴールに基づいて、各施策にぶれがないかを確認し、KGIやKPIなどの数値目標を設定します。

ポイント2.評価方法を事前に設定する

1で設定したゴールに基づき、評価項目を設定します。効果測定まで行えると、周年記念の施策をただのお祝いではなく広報PR活動の一環として今後に活かしていくことができます。

社内を対象とする場合、満足度、参加人数、エンゲージメント評価などが評価項目として設定できます。特にエンゲージメント評価に関しては、アンケートを事前事後で実施すると効果が見えやすくなるでしょう。

社外を対象とする場合、満足度、参加人数、問い合わせ数、売上、イメージ調査などが評価項目として設定できます。これらの数値を測定できると、今後のブランディングやマーケティングの施策を考えていくうえで貴重なデータになります。

https://prtimes.jp/magazine/public-relations-kpi/

ポイント3.社内のさまざまなメンバーに協力してもらう

周年記念時には、部署横断で企画や運営を行うプロジェクトチームをつくることもポイントです。

プロジェクトメンバーとして周年記念に関わってもらうことで、自社への理解を深めてもらい、エンゲージメントや仕事へのモチベーション向上につながることが期待できます。

ふだん社内行事への関わりが少ない部門も含め、さまざまな部署から幅広くメンバーを集めるようにしましょう。各部門長に推薦してもらったり、社内から公募したりするといった方法が考えられます。

自社への理解を深めてもらうため、周年記念の機会を活用しよう

周年記念は自社の歩みやストーリーを伝え、ステークホルダーとコミュニケーションを取る絶好の機会です。紹介した通り、記念式典やパーティー、記念コンテンツ・グッズの制作、イベントやキャンペーンの実施、リブランディングや新事業・新サービスの発表といった企画が考えられます。

周年記念の施策を成功させるうえでは、「目的とゴールを明確にする」「評価方法を事前に設定する」「社内のさまざまなメンバーに協力してもらう」ことも重要です。

他社の事例を参考にしつつ、自社らしい企画を検討してみてください。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

周年記念に関するQ&A

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この記事のライター

長瀬 みなみ

長瀬 みなみ

ITベンチャーにて広報PRを担当したのち、ヘルスケアベンチャーにて広報PR部門の立ち上げ、ブランド責任者として取締役就任。YouTubeチャンネル運営など、さまざまなメディアを活用した分ランディングや広報活動を行う。独立後は、広報PR・ブランディング・コミュニティ運営など幅広く活動している。これまでの経験から広報・ブランディングに関する戦略立案からプレスリリース執筆まで幅広くカバーしたコンテンツを作っています。

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